ルーム・ニッポン 東日本大震災支援バッグのデザイン拡充

2020/03/19 06:27 更新


 東日本大震災の被災地を支援する一般社団法人ルーム・ニッポンが今年も、「ルームバッグ」を販売する。震災の翌年から毎年新作を発表し、9年目。「新たな企画に取り組む」(加賀美由加里代表)10年目に向け、これまでの人気商品を集め、デザインの幅を広げた。3月20~31日、東京のドーメル青山店で展示受注する。

【関連記事】《東日本大震災9年》東北の縫製業、婦人服専門店 復興へ若い人材育てる

 ルーム・ニッポンは、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町へ、ファッションを媒介にした復興支援活動をしている。ルームバッグは、同地の元電子部品メーカー、アストロ・テックに生産を依頼し、地場産業の活性化と地域の雇用創出につなげてきた。収益の一部は、ルーム・ニッポンの復興支援プロジェクト「KIBOU311」を通じ、南三陸町への桜の植樹に使用される。バッグの購入者は「南三陸町とのつながりや社会に役に立つことの心地よさ」を感じ、作り手にとっては、自らの仕事が目に見える形で復興に役立てられることが励みになっているという。

 今回は、人気が高かった形に絞り、色柄を変えた5品番を新たに投入する。キャンバストート(税込みで小1万6500円、大2万900円)は、マリンカラーやグレー、トリコロールを加えた。ハンドメイドの革メッシュトート(小5万1700円、大7万5900円)は、水の青、津波の黒、雪の白など震災の日の風景の色を交差させたデザインなどを揃えた。

 「エコやサステイナビリティー(持続可能性)という言葉をたくさん目にするようになったけれど、地域の復旧・復興、地元の仕事を生むことも第一歩になるのでは」と加賀美代表。ルームバッグを通じ、「そういうことを少しでも喚起していけたら」と話す。東日本大震災の被災地は「復旧を終えて、これから復興という段階」で、今後も継続的な支援が必要だ。受注会を中心に販売してきたが、「もっと広く発信し、気持ちを共有してもらいたい」と、来年をめどに公式サイトを刷新し、ECの導入も計画している。

新型肺炎の感染拡大で、当初21日に予定していた受注会特別演奏は中止した


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事