軽量・保温高めた三芯中空断面PP

2015/07/23 06:19 更新


 三菱レイヨンとグループのMRCパイレンは、ポリプロピレン(PP)長繊維の三芯中空断面糸「ライブエア」を開発した。PP繊維の特徴である軽量性や保温性をさらに追求した素材として、資材や衣料など幅広い用途に広げる。

 ライブエアは、三つの扇型の穴が放射状に空いた中空断面形状が特徴。特殊な口金を使った溶融紡糸によって 製造し、特に断面形状を安定化させるため、口金設計の最適化に注力した。

 通常のPPの比重が0・91なのに対し、ライブエアの見かけ比重は0・75前後。重量では一般のPPより15~20%、ポリエステルの45%、ナイロンの35%軽量化できる。中空部の空気層によって、保温性も一般ポリプロピレンより15~20%向上する。

 糸のバリエーションは、200デシテックス・20フィラメント~1000デシテックス・100フィラメントまで展開し、さらに細繊度化も追求する。

 すでに販売を開始しており、軽量性を生かして織物テープで採用の予定。今後もテント、オーニング、帆布、トラック幌シート、ラゲージネットといった車両関係など資材分野を開拓するほか、衣料・リビング関連でも、保温インナー、寝装などの用途へ広げる。



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