パリ左岸の百貨店ル・ボン・マルシェで秋のイベント「ロックンロール」が開れている。ラグジュアリーな同店らしからぬ意外性のあるテーマに引かれて足を運べば、エレクトリックなサプライズが待っている。やはりボン・マルシェの企画力は一枚上手だ。
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目玉は本館3階に開設された「ロック・モーテル」。レセプションデスクでチェックインし、ヘッドホンを受け取る。デヴィッド・ボウイやパティ・スミス、プリンス、キース・リチャード、エルヴィス・プレスリーら10人の「宿泊客」のベッドルームを巡る。ベッドサイドには、キュレーターでフランスのカルチャーアイコン、アントワーヌ・ド・コーヌのコレクションがインスタレーションされている。ヘッドホンからは、彼のユーモアたっぷりの解説とともに伝説的アーティストの逸話(英仏語)が流れ、同じ部屋で時を共有しているような錯覚に陥る。



各階には「ギブソン」の期間限定店、古着の「キリワッチ」、ビニール盤を集めたコーナーと、ロックの舞台裏さながら。ファッションからインテリアまで人気ブランドとの協業限定品も数多く揃う。ロカビリーナイトも開くという。百貨店の枠をサウンドで飛び越え、カルチャーを遊びつくすイベント。モーテルは連日満室御礼だ。
(パリ=松井孝予通信員)