京都のコンセプトホステルが新鋭作家と限定店

2017/04/12 06:28 更新


 〝今の京都〟をご堪能あれ――。京都のコンセプトホステル「マガザンキョウト」と「クマグスク」は、JR京都伊勢丹の婦人服特設会場で、期間限定ショップ「キョウトニイッテキマシタ」(5~11日)を開いた。

 「京都のカルチャー・アートシーンを3分間で体験」してもらう狙いで、物販だけでなくアートの展示やワークショップも複数実施。伝統的な京都のイメージを塗り替えるユニークな発想の商品や作品が並び、新しいもの好きの男女が集った。

(金谷早紀子)

■約40ブランド集積

 マガザンキョウトは「泊まれる雑誌」をコンセプトに、雑貨店とギャラリーを一体化したようなホステルを運営する。クマグスクは美術を深く味わうための宿泊型アートスペース。両者の得意分野を生かし、マガザンキョウトがポップカルチャー、クマグスクがアートの視点で品揃えした。

 ほとんどが京都にゆかりのある作家もので、「昇苑くみひも」の糸巻きお茶缶(2400円)や「花背WARA」のワラ細工アクセサリー、「大山崎コーヒーロースターズ」の珈琲豆など、約40ブランドを集積。京都の人気喫茶店「喫茶マドラグ」の名物メニュー「コロナの玉子サンド」や、老舗ラーメン店「新福菜館」とデザイン事務所「れもんらいふ」が協業企画したどんぶりなど、様々な限定商品も用意した。

京都にゆかりのある作家の作品を中心に商材も価格帯も幅広く揃えた

 物販コーナーに隣接して、アートギャラリーを開設。京都の若手アーティストの作品を展示した。会期中は、ライブドローイングやワークショップ、セミオーダーなども実施。ほとんどが満席になるほどの盛況ぶりだった。

物販コーナーに隣接して京都の若手アーティストの作品も展示した

■参加型を増やす

 同イベントは、今回が2回目。JR京都伊勢丹は地域に根ざした店を目指し、地元のクリエイターとの取り組みを増やしており、今回もその一環。まずは「お決まりの京都を発信するのではなく、新鋭作家と触れ合う自分たちの日常を体験してもらえないか」(岩崎達也マガザンキョウト代表)として、昨秋に「京都の新定番の土産物」をテーマに期間限定ショップを出店。好評だったことから、今回は規模を拡大し、参加型の企画を増やしてより「体験」に重きを置いた。

 両ホステルはSNS(交流サイト)での発信も重視しており、ハッシュタグで使いやすいショップ名、どこから撮っても写真映えする空間作りを意識。実際に口コミが広まり、普段は百貨店に来ないような客層が多く訪れたという。今後に向けても、新しい企画を検討中だ。

左から岩崎達也マガザンキョウト代表、藤本淳弥JR京都伊勢丹セールスマネージャー、矢津吉隆クマグスク代表




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