国内産地の生地を使い、アートをテーマにしたレディスブランド「クオティアス」が、国内外で活躍するデザイナーを育成するプロジェクト「ファッション・デザイナーズ・アクセラレーター・トーキョー」(FDAT)24年度の販路開拓支援ブランドの一つに選出された。デザイナーの齋藤和歌子さんは「協力してくれている工場や機屋が喜んでくれ、自信につながった。より一層頑張りたい」と話す。
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FDATは東京都のファッション産業振興を目的としたプロジェクト。アパレル産業の第一線で活躍する人材を講師に、合計10回の意識啓発プログラムを実施し、参加者から販路開拓支援ブランドを選出している。
齋藤さんは、ブランドの方向性を改めて確認したい思いからプログラムを受講。学生や若手デザイナーと共にファッションビジネスのノウハウを学んだ。

その後のプレゼンでは、国内産地のウールやジャカード、生地レースをラッフルデザインやプリーツ加工などのテクニックで仕上げるブランドの強みをアピール。その結果、販路開拓支援ブランドに選出された。
今後は25~26年秋冬向けの販売促進奨励金、セミナー受講、合同展示会の開催など支援を受ける。「色々な人とつながりができたほか、他の選出ブランドの頑張っている姿を見て刺激を受けている」と話す。
クオティアスは、25年春夏物からよりブランドらしさが伝わる企画にしたところ、24年秋冬物に比べ直販が1.5倍、卸売りが2倍に伸びた。キービジュアルにした桐生産地のジャカードのブラウスが好評で、受注とオンライン購入につながっている。
客層は20代後半から30代が中心。即売会で若年層のファンが増えた。ブランドの世界に共感し、自分が良いと思ったものを長く着たい人から支持を得ている。
今後は受注会・即売会を東京以外の地域にも広げたいと話す。チャンスがあればコンテストにも挑戦する予定だ。ブランド設立時からの大きな目標は、パリで展示会をすること。「日本の技術を広めたい」と笑顔で答えた。