熊本地震 中心市街地に人波戻る

2016/05/10 06:21 更新


 余震が収まらない熊本市だが、大型連休をきっかけに気分転換の意味合いも含めてファッション消費回復の兆しが出てきた。4月29日以降の都心部では「目に見えて来店客が増えだしている」(鶴屋百貨店)と言い、郊外でもゆめタウン光の森で28日に営業再開したビンゴベイブルックの5月8日までの売り上げは前年を上回っていると言う。セレクトショップなどが入居するニューズ館の1~8日の売上高は10%増、曜日調整後でも5%強の増収となった。

 鶴屋百貨店本館が休業しているため年配客の姿は少ないが、「連休中の中心商店街の人通りは例年並みまで回復」(ベイブルック)している。鶴屋百貨店の東館では食品のほか、母の日ニーズで婦人雑貨やファッション雑貨が順調だった。本館の顧客が営業を再開している東館やニューズ館で買える物を買っていることもあるようだ。

 本館では水質、ガスなど営業上の安全確認にめどがつき、14日から地下1、2階の食品売り場と1階の営業を再開する。本館全体の4割弱の面積に当たる。2階から上層階についても順次、補修工事を進めて下層階から段階的に営業を再開していく方針だ。

 専門店のベイブルックによれば、「地震直後の状態からすれば思った以上に早くファッション消費にも回復の兆しが見える」という。イオンモール熊本店を除いて再開した各店では、「さすがにドレスはまだ厳しい」がカジュアルウエアを中心に前年以上の売り上げをたたく店もある。

 イオン九州では先行して営業を再開した食品部門で総菜や弁当、パン、冷凍品などの売れ行きが好調なほか、4月28日にSC全館営業再開した菊陽店では5月8日までの累計で食品5割増、ベビー・子供服8割増、トイ・ホビー2・3倍の高い伸び。

 イオン熊本店など2階衣料品売り場の営業再開が遅れている店がまだあるが、補修工事の人員や資材不足もあって、営業再開にはまだ時間がかかりそうだ。



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