ケリング エマ・ワトソン氏ら3人を取締役に選任

2020/06/18 13:28 更新


 ケリングは、6月16日に開催した定時株主総会で、エマ・ワトソン氏、ジーン・リウ氏、ティージャン・ティアム氏の3人を取締役として選任した。ワトソン氏はサステイナビリティー委員会の議長、ティアム氏は監査委員会の議長に任命されている。

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 ワトソン氏は、イギリス人俳優、活動家として知られる。14年、ブラウン大学で英文学の学位を取得するとともに、UNウーマン親善大使に任命され、男女平等の推進に男性を巻き込むことを目指したイニシアチブ「He For She」を立ち上げた。このキャンペーンでの働きが認められ、15年にタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。女性に対するハラスメントや虐待の撲滅運動などにも取り組んできた。

 中国の滴々出行の社長を務めるリウ氏は、スマートフォンアプリを活用したマルチモーダルな輸送プラットフォームを提供している。女性のエンパワーメントも推進しており、中国のインターネットビジネス業界では初となる、女性を対象にした人材開発プログラム「滴々女性同盟」を展開している。

 ティアム氏は2月までの約4年半、クレディ・スイス・グループの最高経営責任者(CEO)を務めてきた。同社では3年間にわたる組織再編プログラムで成功を収めるなど手腕を磨き、19年にはティアム氏の指揮のもと、2010年以降の最高益を記録した。4月にはアフリカ連合議長の南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領から新型コロナウイルス対策におけるアフリカ連合特使に任命されている。

 ケリングは、3人の取締役の豊富な経験とスキルが、グループを補完する資産となり、取締役会の質を高め、グループの戦略的方向性を定義づける上で恩恵をもたらすとしている。

 フランソワアンリ・ピノー会長兼CEOは、「彼らの知見や能力、そして、様々なバックグランドや視点はケリングの取締役会にとって貴重な付加価値となる。それぞれの異なる経験によりもたらされる豊かな知識は、ケリングの将来にとって不可欠になる」とコメントした。

左からジーン・リウ氏、ティージャン・ティアム氏、エマ・ワトソン氏(ワトソン氏の写真は© Carter Bowman)


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