皮革卸の川善商店は26年秋冬向けから、ドングリの帽子の部分(殻斗)をタンニン剤としてなめしたヌメ革「ペリット・クプール」の供給を始める。国産牛の原皮を使い、森に落ちているドングリを活用することで製造エネルギーの抑制につながる。持続可能な物作りを強みに、幅広い用途に普及を図る考えだ。
国内で使われている植物タンニンのなめし剤の多くは、ミモザやケブラッチョなど専用に栽培した植物を原料としており、比較的安価でクリーンな風合いに仕上がる。ペリット・クプールに使っているのは、トルコの森で拾い集めたドングリから作られたタンニン剤で、植物を栽培するエネルギーを必要としないことが大きな強みだ。環境負荷を一段と抑えることができ、欧州のREACH規則で規制されているビスフェノールは含まない。
特徴はくすんだ黄色に仕上がることと、しなやかさのある風合いだ。「欧州のメゾンが使っている栗の木のタンニン剤に近い色味が出る」という。ハードタイプ、ソフトタイプ、バケッタを揃え、1デシ(100平方センチ)の価格は90~120円。
