西武リアルティソリューションズが運営する「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」の23年度(24年3月期)の売上高は565億円となり、前期の541億円を大きく上回った。2期連続で過去最高売り上げを更新した。
インバウンドを含め客足が戻ってきたことで、ラグジュアリーブランドやスポーツブランドを中心に売り上げを伸ばした。インバウンドの来場者数は19年度比で33.7%増と伸び、海外配送サービスや対面型翻訳機の導入など外国人が過ごしやすい環境を整えた。年間を通してブランディング施策や誘客イベントの開催などを積極的に行った。今年2月の春節時の来場者増もあり、売り上げを底上げした。
同施設は95年7月に店舗面積2100平方メートル、約30店で開業し、来年30周年を迎える。97年7月に1期増床を実施以降、14年7月に7期目(約8000平方メートル)を増床して総店舗面積約4万2000平方メートルになった。大幅増床以降、17年度に開業以来初の年間売上高500億円超えの512億円を達成。23年度の565億円は、14年度の440億円から125億円上積みしており、途中、コロナ禍の影響もあって20年度、21年度の2期は500億円を下回ったが、22年度以降、再び500億円超えに戻した。
レジ客数は、22年度823万人、23年度840万人だった。大幅増床などによりピークだった17年度の1049万人からは減少しているが、円安でインバウンド客が増えており、インバウンド客のまとめ買いから客単価が増加傾向にある。23年度のインバウンドの売上高は92億円で構成比は16.3%に達した。そのうちの国・地域別の構成比は台湾が45%、中国34%、タイ6%。
23年度にリニューアルしたイルミネーションは通年開催にして夕方以降の集客に寄与した。また、22年10月に開催した「軽井沢モーターギャザリング」は、23年度は5月と10月に開催して、回を重ねるごとに家族連れや車ファンが数多く来場し、軽井沢の名物イベントの一つとして認知されている。
インバウンド対策として、海外配送サービスを今年1月から実施、4月1日時点で取扱店舗が16店となり、今後も増やす計画だ。対面型翻訳機は今年2月に導入し、繁忙期には1日10件以上、外国人観光客の利用がある。免税店舗は店頭に「免税ステッカー」を掲出、今年4月1日時点で149店になった。店舗独立型免税システムを導入している。