カネヨウ ブルガリア産「トラキアダウン」のブランディングを推進

2023/07/27 06:26 更新


ダウンボールが大きく保温性が高いトラキアダウン

 寝具メーカーのカネヨウ(大阪市)はブルガリア・トラキア地方産の高級ダウン「トラキアダウン」のアパレル向けプロモーションを強化する。ホワイトダックの羽毛で作られるトラキアダウンは、ダウンボールが大きく、取り込む空気が多いため保温性が高い。プレミアムダウンとしてこれまでの主力の寝具に加え、アウトドア、ファッションといった新たな用途を開拓する。カネヨウはブルガリア、ポーランド、ハンガリーなど欧州の高級ダウンを輸入販売し、寝装中心に高いシェアを持つ。ブルガリアではトラキアとロドピの二つの産地が知られるが、「希少で高品質なトラキアにフォーカスし、この10年ほど産地ブランドとして訴求してきた」(西野幸信社長)。

 通常のダックが欧州で60日間、中国で30日間の飼育で羽毛を採取されるのに対し、トラキアダウンは、主にフォアグラ用に飼育されるため95~100日間の飼育の後に採取される。大きく成長するためダウンボールが大きく、弾力性、かさ高性があり同重量の一般的なダウンに比べても1.5倍の体積となる。雑食のダックはグースに比べて臭いがつきやすいなどの難点があったが、同社は繊維メーカーと協業・開発し、人工酵素であるフタロシアニンを羽毛に結合させることで消臭・抗菌効果を持つ「デオパワーダウン」として打ち出している。

 良質なダウンを安定的に調達するため、ブルガリアの原料加工メーカーのソラマックス、品質管理の独ローデックスと組み、品質とトレーサビリティー(履歴管理)を徹底している。ソラマックスが行う加工工程では、素材の選別と洗浄を同時に行う技術「トリアロ」、水・洗剤の使用を抑えた洗浄技術「トゥネル」を採用。品質と環境配慮の両立を実現した。

 欧州各国のダウンを扱うローデックスは、00年にソラマックスと提携してトラキアダウンの販売を始めた。世界的なダウンの認証機関IDFLとキューテックの教育を受けた現地スタッフによって品質管理を徹底する。

 駐日ブルガリア大使館で7年ぶりに開いたトラキアダウンのプロモーションイベントでは、カネヨウ、ローデックス、ソラマックスの担当者と、駐日大使、来賓としてブルガリア出身の鳴戸親方(元琴欧洲)が参加した。



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