JR名古屋高島屋は、自主編集売り場の「スタイル&エディット」で、「ミュベール」と名古屋市東山動植物園の共同企画商品を販売している。ライオンやペンギン、象などをモチーフに色鮮やかに刺繍した親子ペアのトレーナーやTシャツ、雑貨類。同売り場のバイヤー、村澤藍子さんは「動物を通じ、親子でSDGs(持続可能な開発目標)を考えるきっかけになれば」と企画した。売り上げの一部は同園に寄付し、絶滅危惧種の保護、育成活動の支援に充てられる。
SDGsは、社会的な関心の高さほどには洋服を購入する際の優先順位は高くない。村澤さんは、アパレルを通じてSDGsを訴える難しさを痛感していた。企画が持ち込まれた時、「動物なら(SDGsが)親子に響く」と感じ、売り場での演出に心を弾ませた。村澤さん自身も親子で年に何十回も同園に通う動物好き。園にいる動物450種のうち100種以上が絶滅危惧種。どんな動物がどうして絶滅の危機にあるのか、親子で勉強したこともある。「ミュベールの動物は、リアルだけどユーモアがあって可愛く、愛着を持つ人は多い。動物を通じ、生き物や自然環境を大切にすることを訴えたい」としている。
トレーナー(2万4200円=子供、3万800円)、Tシャツ(1万9800円、2万4200円)、バッグなど全9種。ミュベールのECや全国の高島屋でも販売を始めた。同店では18日までミュベールのデザイナー中山路子さんが同園を訪れて描いた原画を展示する。