日本綿スフ織物工業連合会(綿工連)の旧青年部である綿工連綿 's 倶楽部は、3、4日に岡山県倉敷市で全国交流会を開いた。全国の産地から若手後継者はじめ約70人が参加し、工場見学や交流会を行った。
帆布製造の丸進工業では、合糸、撚糸から製織工程までを見学した。58台のシャトル織機を保有し、4~11号帆布を生産しており、参加者は普段あまり見る機会のない帆布生産の様子を熱心に見て回った。
デニムやシャンブレー、先染め織物などを生産するショーワでは、整経、サイジングといった前工程から織布、ワッシャーまで一貫した工程を見学。同社はロープ染色機も保有しており、サンディカ・パリクチュール校との協業で海外に国産デニムを広げようとする取り組みも紹介した。
2日目には洗い加工の豊和や児島のジーンズストリートも見学した。
初日の夜に開いた交流会では、同倶楽部委員長である大城戸祥暢大城戸織布社長があいさつ。「先日専門学校に行く機会があったが、機屋に就職を希望する学生は増えてきたと思う。産地の若手も増えてきて、我々中堅世代も頑張って精進していかないといけない。また、工場見学などで機屋の大変さ、面白さを伝えて、生産者、消費者お互いに業界を盛り上げていければ」と語った。
一方、貝原良治綿工連会長は、「環境は厳しいが、ポジティブにチャレンジしていけば、何かが必ず生まれる。難しい、できないと言うのは禁句であり、自信を持って物作りに取り組んで欲しい」とエールを送った。
各産地の若手も参加し、遠州産地からマサル織布の大橋泰士さん、知多産地から新美の新美弘郎さん、三州産地から三州資材工業の加藤直人さん、尾州産地から川延見本織物の川延恭徳さん、奈良産地から野村工業の野村昌慶さん、播州産地から橋本裕司織布の橋本裕司さん、九州産地から大鵬繊維工業の野田和哉さんがそれぞれあいさつした。