ワールドグループのファッションクロスはファッションコンビニ「イッツデモ」を再構築し、売り上げが上昇中だ。ファッションとビューティーに品揃えを絞り、〝駅のファッションコンビニ〟という店の強みを明確にしたことで今後、再拡大していく。
強みを絞り込む
イッツデモは1998年出店を開始した。利便性とファッション性を求める客層に対して駅や駅前に店舗を構えるファッションコンビニ業態として開発した。その後、成長し続け、展開店舗も80店舗にまで増えた。駅内の環境変化にコロナ禍での外出激減などの影響を受け、20年から出店立地や品揃えなどの見直しに入った。
駅構内の環境変化では駅売店がコンビニエンスストアに変わり、駅構内で店舗区画が増え、雑貨、ドラッグストア、食物販など専門店の駅ナカ業態が増えてきたことが大きい。それまでイッツデモはアパレル、服飾雑貨、コスメ、生活雑貨、ホビー、フードなどを扱ってきたが、駅構内に各業種の専門業態が増えてきたことから、競合する品種を整理するとともに、自社の強みを再度見直し、22年から扱うカテゴリーをファッションとビューティーに絞り込んだ。
生活利便性を再強化するため、それまで都心部でも店舗を出していたが、生活場所に近い立地に集中させ、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを進めた。すでに店舗の整理は終わり、現在、営業している45店(ファッションに特化した「パサージュミニョン」を含む)は、すべて収益店舗となっている。