伊藤忠がデサントにTOB 完全子会社化へ

2024/08/06 18:00 更新


 伊藤忠商事グループがデサントを完全子会社化する。伊藤忠の完全子会社でありデサント株の44.44%を持つBSインベストメントが、11月上旬までにデサントの普通株式の公開買い付けを開始し、全株式を取得して完全子会社にする。デサント側は今回の買い付けに賛同する旨を表明し、株主の応募推奨を8月5日の取締役会で決議した。

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 伊藤忠グループは株式の非公開化により、ブランド運営、生産面での伊藤忠との連携強化や伸びが期待できる海外事業を強化、拡大する狙い。海外事業では、韓国、中国事業に加え、20年3月期にデサントが撤退した欧米市場やその他地域に再進出する考えだ。

 買い付け予定数は約4198万株。一株あたり4350円で、買い付け総額は1826億円ほどになる予定。予定数の下限(約1679万株)に満たない場合は全買い付けを行わない。

 BSインベストメントは20年3月、伊藤忠が持っていた全デサント株を取得。伊藤忠としてはデサント株を持っていない。この間、伊藤忠商事グループは徐々にデサント株の取得率を高めていたが、「子会社は考えていない」とコメントしていた。ただデサントは2年連続で連結経常利益と純利益の過去最高益を更新中。韓国事業偏重をテコ入れし、成果が出ているデサントを完全子会社にすることで取り込み利益を従来よりも増やし、さらに拡大しようとする動きにみえる。



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