伊藤忠「ランバン」ライセンス事業、ファン拡大に手応え 百貨店で存在感

2023/12/04 18:00 更新


ライセンシーでランドセル分野の加藤忠が加わった

 伊藤忠商事が運営する「ランバン」のライセンス事業が好調だ。ランバン事業全体の23年1~9月の売上高は「前年同期比で2ケタ増に近い販売状況」となった。同社は「コロナ禍明けのオケージョン需要の高まりをとらえた。百貨店を中心に相対的にランバンのシェアが高まっている」とブランドファン層の広がりに手応えを得ている。

(北川民夫)

 アイテム別では、靴分野がレディスのモーダクレア、メンズのマドラスで売り上げを伸ばした。レディスアパレルではレリアン「ランバン・コレクション」や東京ソワールのブラックフォーマル「ランバンノワール」、シャツ分野で山喜、バッグ分野でイケテイ、ヤマニが健闘した。

 特に婦人靴のモーダクレアが好調だ。1~9月累計で前年同期比2ケタ増の販売で推移しており、「市況が回復する中で、販売力のある百貨店での存在感が増している」。メンズアパレル分野ではジョイックスコーポレーション「ランバン・コレクション」で、23年春夏シーズンからアンバサダーに歌舞伎役者の中村獅童氏を起用。22年春夏からクリエイティブディレクターに就く祐真朋樹氏によるリブランディングをさらに進め、ファン層を拡大して「既存店ベースの昨対比で売り上げ増」を確保した。

 デサントジャパンのゴルフウェア「ランバンスポール」は〝ジェンダーレスな着こなし〟ができるデザインを打ち出して顧客から好評を得た。また、ユーチューブで「ゴルフ系クリエイター・ナンバーワン決定戦」を昨年に引き続いて配信し、今年も累計600万回以上の再生を記録する人気コンテンツとなり、若いファン層拡大に貢献した。

 新しいライセンシーとしては「ランバン・オン・ブルー」のランドセル分野で加藤忠が加わった、24年の春入学シーズン向けから販売をスタートしている。

 伊藤忠は、24年にランバン創業135周年を迎えるにあたって、ライセンシー間の共通柄の打ち出しや、ブランドロゴによる市場訴求を協働して強化する。ダブルJLマークやモノグラムを生かしたデザインを押し出しながら「24年秋冬シーズンを中心としたキャンペーンを仕掛けて市場拡大を狙う」方針だ。また、インポートラインを強化し、ブランドのプレゼンス向上を目指す。昨年オープンした東京・銀座の旗艦店では、インポートのレディス・メンズのアパレルからファッション雑貨などを揃えて「ブランド全体のプレゼンス向上を目指す」構えだ。



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