伊藤忠商事繊維カンパニー マーケットインで変革 サステイナブルなどを重視

2021/07/07 06:26 更新


 伊藤忠商事の諸藤雅浩常務執行役員繊維カンパニープレジデントは7月6日、同社東京本社で開いた会見で「マーケットイン戦略による事業変革を推進する。これまで繊維事業においては商品戦略がメインであったが、それ以上に市場が求めるものを的確に販売することを重視する」と述べた。

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 同社繊維カンパニーは今期の事業方針として①サステイナブル(持続可能性)・SDGs(持続可能な開発目標)をベースにした事業の構築②繊維カンパニーの事業会社全体の事業基盤の再構築③デジタル施策の強化を掲げる。

 サステイナブルに向けては「最も大事な施策として位置付ける」構え。再生ポリエステル繊維「レニュー」を欧米市場及び国内大手アパレルに向けて販売拡大し、新たなバリューチェーンの構築を目指す。フィンランドのメッツァグループと開発する環境負荷を低減したセルロース系リヨセル素材「クウラ」については「来年には正式に商品化を果たし市場投入する」計画だ。また、ファッション市場における新疆綿に対する慎重な見方が広がるなかで「インド・オーガニックコットンの扱いに注力」することで代替需要に応える。

 事業会社の黒字化に向けては「各社のコアコンピタンスを磨き直し、低重心経営を行う」考え。レリアンでは百貨店主力の接客販売を得意とするミセス向け「レリアン」を、オンラインを活用した接客手法を推進し「今期第1四半期で復調した」状況。そのほか、ジョイックスコーポレーションでは「ポール・スミス」、コロネットはインポートのブランディング強化に注力するなどの施策を打つ。

 デジタル施策の強化では、昨年設立したデジタル戦略室による「繊維カンパニー内の横断的組織としてデジタル面で各事業会社を支える」体制を採りながら「各社の自社ECの強化策を推進する」方針だ。

諸藤氏

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