伊藤忠商事は今秋から、ユーチューブ発の子供向けキャラクター「クマーバ」のライセンス商品を拡大する。主力のアパレルライセンスがコロナ禍で苦戦するなか、比較的堅調なベビー、子供市場に照準を当て、大手専門店、量販店を攻める。現在のライセンシーは16社で、21年中に20社が目標。23年には流通総額15億円を目指す。
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クマーバは、ゲームを軸としたIP(知的財産)プロデュースのアカツキ(東京)が生み出したキャラクター。19年5月にユーチューブに「クマーバチャンネル」を開設し、2~4歳をコアターゲットに、「エンタメ知育チャンネル」として、歌やダンス、言葉の学びなどのコンテンツを配信している。現在のチャンネル登録者数は29万人。
伊藤忠は20年10月、アカツキ子会社のクマーバから、キャラクター関連商品のマスターライセンス権を取得。日本の子供向けユーチューブキャラクターが珍しいこと、コンテンツ内で商品宣伝が可能なこと、人気キャラクターとの協業番組やメディアミックスで知名度向上に期待できることなどから導入した。
現在は絵本、ぬいぐるみ、バッグ、マスクなどをクマーバのECなどで販売。秋からは、大手ベビー専門店、量販店に販路を広げる。iPadカバーや歯ブラシ、キーホルダーなど、「子供の生活動線になり得るカテゴリー全般への展開拡大」を目指す。
海外展開は、20年8月に英語版チャンネルをユーチューブに開設。中国市場を最重要視しており、伊藤忠のネットワークを活用して動画配信サービスのパートナー企業を選定している。