11月30日~12月2日にドイツ・ミュンヘンでスポーツ用品見本市ISPOが開かれた。世界有数のスポーツ用品見本市として1970年からミュンヘンで開催されてきた同展は26年から、主催者であるメッセ・ミュンヘンと英ラクーン・メディア・グループとのジョイントベンチャーが運営を引き継ぎ、オランダ・アムステルダムで開く。
開催地移転の背景には、ISPOが特にコロナ収束後に勢いを失い、方向転換を図りたい意図があるとされる。20年に2850あった出展社数は、24年には約2300まで減少。今回は、ウェブサイトの出展者情報によると1774社となった。出展内容も変化している。スポーツ・アウトドアブランドの出展がここ数年減少。今回は全9ホールのうち、アパレル最終製品の展示に主に使われたのは2ホールにとどまり、素材・製造部門が5ホールと過半数を占めた。
一方で、約100のスタートアップが集まるブランニューやサステイナビリティー・ソリューションの展示エリア、また小売り戦略やイノベーションなどをテーマとした講演・カンファレンスはにぎわっている。さらに革新製品のコンテスト「ISPOアワード」も注目を集める。情報発信やスポーツ関連業界内の交流の場としての役割が濃くなった印象がある。
(ライター・吉田恵子)
