ホテルのナイトプールなどの〝インスタ映え〟するイベントや、気軽に海外リゾートに行けるLCC(格安航空会社)の増加が、水着の需要を押し上げている。雰囲気を楽しむのが目的で、ワンピースタイプの水着が売れ、別売りの水着を自分好みにスタイリングする女性も多い。
「ナイトプールに行くために購入する20代の新規客が目に見えて増えた」と話すのは伊勢丹新宿本店。写真映えのほか、ビーチで規制されることもある音楽やお酒も楽しめ、日焼けや汗の心配、砂のざらつきがなく快適な点も人気の理由だ。
同店で水着を集積するスポーツゲートでは、水着の売り上げが8月まで前年同期比2ケタ増で推移、最終的には約15%増(昨年も一昨年対比で12%増)になる見込みだ。クロスバンドゥやワンピースタイプが売れている。
写真映えするフラミンゴやスイカなどの浮き輪やドリンクホルダーも販売、水着とのセット購入にも(伊勢丹新宿本店「スポーツゲート」)
婦人服フロアでも水着が好調で、代表格が「エンフォルド」。今夏、バカンスを過ごす大人が楽しむための服の一つとして作った水着がファンを引き寄せている。大人っぽく洗練され、体形をカバーできるのがポイント。フィットしすぎないホールターネックのコンビネゾンや水着素材のロングチュニックなど、露出が強すぎないアイテムに「待ってましたの声が集まった」(エンフォルド)という。ベアトップとショーツのセットアップなどタウンユースが可能で、そのまま水の中にも入れて速乾性の高いアイテムも好評だ。
伊勢丹新宿本店2階のエンフォルドの期間限定店は、「初日の売り上げが想像以上」(エンフォルド)で、ほとんどのアイテムが完売した。「市場に高感度な水着が欠落しており、ファッションブランドの水着を購入したいというニーズが高まっている」(伊勢丹)とみる。3階の自主編集売り場「リ・スタイル」は「セイントヘレナ」のワンピース水着が「子供と一緒にプールや海に入る時に活躍する」と売れ筋になり、トップとボトムの水着が別売りで自分だけのスタイリングが楽しめる「レピドス」も良かった。
阪急うめだ本店3階婦人服売り場では、水着ブランド「アリシアスタン」期間限定店に行列ができ、売り上げも記録的だった。価格は上下で約2万円。決して安くないが、20代がこぞって購入、「お気に入りの水着を着てリゾートで遊ぶ様子をインスタグラムに投稿したいという願望が高まっている」という。
エンフォルド