【JFW-IFF・MAGIC】欧州ブランド熱烈アピール

2018/04/27 04:27 更新


◆高品質なもの作り、デザイン性強み

英仏が団体出展 伊、ポルトガルからも

 ファッション先進国が日本市場に熱視線――。27日まで開催中のJFW‐インターナショナル・ファッション・フェアMAGIC・JAPAN(JFW‐IFF・MAGIC)では、高品質な物作りやデザイン性を強みにする欧州ブランドの出展が目立つ。

 今回は、輸出促進を図るイギリスとフランスの団体出展があり、日本初進出ブランドも多いことから、来場者を引き付けている。単独出展でイタリア5社、ポルトガル2社も参加している。(カッコ内はブース番号)

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 「この間、日本で服飾雑貨の展示会を行っていなかったが、小規模の企業が多いので、合同出展の場を設けることにした」とは、12社の出展を支援する仏大使館貿易投資庁。うち8社は靴企業で特に見応えがある。「存在を知らなかっただけで、フランスのデザイン力に魅了された」と話すバイヤーは少なくない。

初日だけで15社

 「初日だけで15社以上との商談があった」のは「カナル・サン・マルタン」。生産はスペイン、ポルトガルだが、エスパドリーユの進化版で本革を使ったエスパスニーカー(卸価格50ユーロ から)など、ひねりの利いたディテールが好評だ。オートクチュール仕立ての「モレル&ガテ」、生地を使ったバレエシューズ「ヴィア・ジョイア・パリ」など、仏製で付加価値の高い製品も揃う。

ディテールに変化を出したエスパスニーカーを扱う「カナル・サン・マルタン」などフランス発の靴ブランドが充実した

 英国からは、UKファッションテキスタイルとUK靴協会の支援で12社が団体出展。うち6社は自社生産のファクトリーブランドを持つ企業だ。なかでも、クラシックなメンズコートが強みの「クリサリスイングランド」は日本の展示会に初出展。「日本向けは現状、個店専門店が中心となるが、輸出の国際化に力を入れており、直接の取引がいいか、代理店を付けた方がいいか、様々な可能性を検討している」という。

英国製のコートを出展する「クリサリスイングランド」などクオリティーの高さを感じさせる製品が揃った

代理店を探す

 オイルドジャケットを強みにする「オックスフォードブルー」は「日本との貿易は25年近く。トラッドベースの自社製品の品質は、日本市場が最も合うと感じており、今後の輸出拡大に向けて代理店企業を探している」と話す。ハンタージャケットの有力ブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)の実績がある。

 自社ブランドでは海外の工場も使って競争力のある製品を揃えており、ジャケットは4万円前後で販売できることから、コストパフォーマンスの高さがセレクトショップのバイヤーを引き付けている。

自社生産のオイルドジャケットなど、品質と価格のバランスが強みの「オックスフォードブルー」

◆海外ならではの色や質感

 イギリスやフランス、イタリアなど欧州ブランドが多く出展している。日本未発売のブランドもあり、新たな出会いが見つかりそうだ。レザーなどの厳選素材、きれいなカラーリングなどでその国ならではの魅力を発信している。

「クリサリスイングランド」


 「クリサリスイングランド」(M-113)は、英国製のメンズウェアブランド。英国産ウールツイードを主に使い、熟練のテーラーがクラシックなコートやジャケット(600~700ポンド)を作っている。主力アイテムはツイードコート。撥水(はっすい)加工をした表地と、滑らかな肌触りのウール裏地、中間層に防水透湿膜を重ねた三層構造の機能性も兼ね備えた商品だ。在庫は持たず、バイオーダーを基本とする。

「コラネ・ブロジ」


 「コラネ・ブロジ」(CV-15)はイタリアのアクセサリーブランド。北東部の港町出身の女性デザイナーが自然をデザインに反映する。新作は石灰岩を表現した白で統一した。天然の石や枝をレジンでかたどったモチーフに、オークや真鍮(しんちゅう)を合わせてあたたかさを加えた。丸みを帯びた形もポイント。中心卸価格は3700~1万5000円。

「メゾン・コラス」


 「メゾン・コラス」(E-402)はミリタリーを加えたマリンテイストが特徴の仏ファッションブランド。デザインは仏海軍のヘリ空母の作業着に着想する。象徴するアイテムはボーダーのボートネックセーター(卸価格49ユーロ)。素材にこだわってオーガニック綿を使った。ボーダーの色は紺で統一し、下地を白や赤、オレンジなど色の種類を揃える。すべて生産はフランス。

「ムッシュ・ムスタッシュ」


  仏パリのシューズブランド「ムッシュ・ムスタッシュ」(F-103)は総代理店を探しに出展。口ひげの形のワンポイントが可愛いレザースニーカーは、80~90年代のスタイルを再解釈して色や素材をミックスしており、かかと周りをカラースエードに切り替えたバランスにセンスが光る。現地の中心販売価格は125ユーロ。メンズ、レディスと一部子供用サイズもある。

「HYMN(フィム)」


 英ロンドンのメンズブランド「HYMN(フィム)」(M-014)は新たにリッツ(東京)が代理店となり、国内の高感度インポートセレクト店の開拓を目指す。自然から着想を受けたカラーをストリート感覚のカジュアルウェアに落とし込む。18~19年秋冬物はカラーブロッキングや、木をモチーフにした柄などを取り入れた。アウター3万円台、シャツ1万円台前半~半ば。

「ヴィア・ジョイア・パリ」


 仏のバレエシューズ「ヴィア・ジョイア・パリ」(F-100)は素材と品質にこだわる。アッパーに欧州有力メゾン向けに作られた高級ツイードや仏軍や警察の制服に使用される丈夫な麻生地などを使う。中敷きはオーガニックの綿と麻ではき心地にも配慮した。すべて仏の工場で手作業で生産する。1万3000~1万6000円。

「メゾン・ドレッサージュ」


 イタリアで12年にスタートした服飾雑貨などの「メゾン・ドレッサージュ」(CV-20)は、拘束具などのフェティッシュなイメージをファッションアイテムに発展させたユニークなデザインが魅力。黒のレザーやラバーを使ったアクセサリーはハーネス、ブレスレット、首に巻くカラーなど。レザーに木のパーツを組み合わせたバッグもある。ハーネスで卸価格9000~1万5000円程度。

「コリロッシー」


 イタリアのレッグウェア「コリロッシー」(F-004)はペルーのピマ綿、ギザ綿、シルク、カシミヤなどの上質な素材を使い、イタリアの機械で細部まできれいに履き心地良く仕上げる。イタリアらしい色使いやデザインも特徴で、無地のほか、細かく複雑な模様も描く。メンズ、レディス、子供用があり、本国での小売価格は28ユーロ、80~90ユーロなど。



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