島根県唯一の百貨店、一畑百貨店(松江市)が1月14日に閉店し、65年の歴史に幕を下ろした。店舗の今後については未定。
同社は23年6月に閉店を発表し、同年秋から閉店セールを段階的に実施してきた。秋以降の売上高は当初の前年同月比30%増から月を追うごとに伸び率が高まり、美術品などの高額品の売れ行きが特に良かったという。1月5日からは1階で「ディーン&デルーカ」の期間限定店、6日から地階で「ミニ北海道フェア」を14日まで実施し、最終日もにぎわった。
錦織要社長は、報道陣向けの会見で「3世代ぐらいにわたるご愛顧をいただいたことはこの上なくありがたいこと。思い出を持ち続けてくれればうれしい」などと語った。同店の土地・建物は親会社の一畑電気鉄道所有で、百貨店との賃貸借契約は1月末に終了する。今後については、一畑電鉄が商業以外を含めた賃貸借契約と売却の「両にらみで進めている」状況で、決まっていない。
同店は地下1階~地上6階で売り場面積は約1万4000平方メートル。ピーク時の松江店単体の売上高は02年3月期に108億円あったが、23年3月期は43億円に減少していた。