ひばりが丘パルコ(東京都西東京市)は今月の開業25周年を記念した企画の一環として、地域との連携による大型イベント「ひばり文化祭」を19日から開催している。地域のクリエイターや文化人などと一体となって企画した客参加型イベントが中心。「街と個人、パルコの25年の歴史を地域の人たちが共有して街を盛り上げ、パルコのファンもさらに増やしたい」(草刈洋店長)という。11月4日まで。
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ひばり文化祭は「知的好奇心が高い住民が多い」地域特性に対応し、昨年同時期に初めて実施した。地元のオーケストラの演奏会やバンドのライブ、西東京市在住の切り絵作家、小出蒐氏の作品展示やワークショップなどを行い、「好評だった」。そのため、今年は25周年記念イベントのメインに据え、内容も充実した。「各店舗の顧客作りにつなげる」狙いで、テナント主催の体験型企画も拡大した。25周年にちなんだ特典サービスやセールも45店以上で開始、館全体を盛り上げている。
テナント主催企画以外では音楽イベントや地元の自由学園による街の歴史の講演会などのほか、ひばりが丘エリアの地形に関する有識者による講演会とフィールドワークを初めて実施する。
目玉企画として、小出氏が25周年を記念してパルコや西東京市の風景を描いた作品、ひばりが丘の歴史を振り返る年表や写真、ひばりが丘パルコが開業した当時の広告などを館内に展示している。年表は客が当時の思い出を書き込めるようにした。また、ひばりが丘周辺で撮った昔の思い出の写真を地域の客から募集し、同じ場所で同じようなアングルでプロのカメラマンが撮影した現在の写真を昔の写真と並べて展示している。
文化祭の企画内容は「地域の人たちとの日頃のコミュニケーションと、そこから広がったネットワークを通じてヒントを得て立案した」という。テナント主催企画を含め、「地域とパルコに多くの愛着を持ってもらい、再来店するきっかけにしたい」とする。開業25周年を機にした施策の一環として、6月29日に地下1階食品フロアを11年ぶりに全面改装、30代の子育てファミリーなど新しい客層もつかみ、入館客数を伸ばしている。文化祭終了以降も地域と一体となった企画を積極化し、顧客を拡大する。
