ヘラルボニー(盛岡市)は、知的障害のある作家によるアートをデザインに取り入れたブランド「ヘラルボニー」から、新ライン「ヘラルボニーISAI(イサイ)」を発売する。〝アートを運ぶ装置〟という発想で企画したシャツとバッグには、額縁となるディテールが備えられ、異彩作家のアートピースをはめ込むことができる。一般販売は6月の阪急うめだ本店の期間限定店からスタートする。
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アートピースは、ヘラルボニーがネクタイ作りで協業している老舗の田屋が、米沢の工房で制作する。細いシルク糸で織った高密度のジャカードで、原画の立体感やかすれなどを精密に再現した。発売時はアートピースは5種類用意し、順次、追加していく。
アートピースを運ぶ装置であるシャツとバッグは、原料から履歴が追えることや環境負荷の少ない素材を使うなど、サステイナブルな物作りを追求した。
シャツはGOTS認証を取得した海島綿の糸を使った綿100%の白シャツと、アルゼンチン産で同じくGOTS認証を取得している「スーパー120」のノンミュールシングウール糸によるウール100%の黒シャツ。ボタンも履歴が追えるよう、糸ボタンを採用した。物作りの現場にも担当者が出向き、顔が見える物作りを心掛けた。
レザートートバッグはBコーポレーション認証を受けているバッグメーカーが製造を担う。縫製はリサイクル糸を採用し、底びょうの部分も革で作った。
どちらも四つの〝額縁〟が備え付けてあり、好みの箇所に好みのアートピースをはめられる。シャツは各2サイズで、税込み11万円。バッグは16万5000円。どちらもアートピースが1枚付く。アートピース単独では1枚1万6500円。