90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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春のトレンドカラー先取り 白コート大ヒット
2001年11月27日付

白いコートが売れている。それほど寒くもないのに、街には白コートがいっぱいだ。ウールのピーコートとベルテッドタイプが最も目立つ。ラビットやフェイクレザーのショートコートも白。いつものジーンズスタイルに合わせたり、蛍光カラーの派手なマフラーと合わせたりして、カジュアルに着ている。ヤングOLも通勤コートに今年は白を選んだようだ。
白コートは98年11月にも大ヒットした。翌99年春夏のトレンドカラーは白、と大合唱されていた時期だ。今回もパターンは同じ。02年春夏の注目カラーの白が、ストリートトレンドに躍り出た。
どのショップも、売れているのはダントツでピーコート。ダブルブレストの好調とマリンブームに白が乗っかった形だ。「ピーコートの黒やネービーは当たり前。白が新鮮だから買った」というのは原宿で買い物中のOL。襟を立てて、その上に黒のストールを巻くのが「今年のやり方」なのだそうだ。
「ここまで白が売れるとは予想しなかった」というのはショップのセシルマクビー。98年のブームを完全に上回っている。生産ラインをすぐに押さえて売りまくり、白はウールコート全体の3分の1を占めている。売れ筋ナンバーワンは70センチ丈のピーコート。ベルト付きと肩章付きがあり、半々の人気だ。その次が78センチ丈のガウンコート。縛るタイプのベルトがポイント。
急な受注が相次ぎ、機屋と染工場も対応に追われている。在庫を出し切り、「受注から納品まで十日で回している」というのは鍛冶松毛織。早善織物もウールの黒毛の補修など、急に来た白への対処に忙しい。染工場では「白は染色屋泣かせ。今後も大量に加工依頼があるなら対策を考える必要がある」という声が聞かれる。
《記者メモ》
98年の白コートは高校生から20歳くらいのダッフルが中心でしたが、これはもう少し大人のトレンドでした。このころは女性のコートといえばウールかウール混でした。
(赤間りか)
