ヘブンジャパン 主力商品は「脇肉キャッチャー」

2017/12/04 04:25 更新


 HEAVEN Japan(ヘブンジャパン、大阪府河内長野市)の創業は03年。運転手をしていた松田崇代表取締役CEO(最高経営責任者)が30歳の時のことだ。かねてから起業・独立を目指していたが、米国旅行でフリーマーケットの女性下着販売を見て「これだ」と直感。仕入れ商品のネット販売からスタートした。地元で小さな店を出したり、自社サイトの運営を始めたりしたが、長く我慢の時代が続いた。

(山田太志)

 転機はリーマンショックの前後。「感動を与えるような機能性のある下着を自ら作り、自分の力で売っていく」と決意した。ただ、単純な商品はすぐ類似品が出る。特にネット販売ではネーミングの持つインパクトは大きいと判断、「覚えやすい・分かりやすい・イメージしやすい」ブランドを作った。現在の主力商品は「脇肉キャッチャー」「胸不二子ブラ」「夜寄るブラ」「もう離れ垂れへんブラ」などユニークな商品が揃う。

30~40代の「老け胸」の悩みを解決。「胸不二子ブラ」の新商品

 その後、11年、12年と楽天市場でランキング入りしたころから知名度が上昇し、レディスインナーのネット販売で大きな存在感を示し始めた。特に脇肉キャッチャーは今年の初頭段階で、累計40万枚を販売するヒット商品となった。

 企業規模の拡大に合わせ、物作りにも一段と力を入れてきた。女性を中心に様々な人材を採用。素材、レース、縫製、デザインなどのノウハウを蓄積するとともに、繊維製品品質管理士、CSR(企業の社会的責任)検定資格者を採用した。さらに物量増に対応し、河内長野市千代田に本社および物流センターとなる新拠点を設けた。裸一貫で立ち上げた会社は、すでに60人の所帯になり、うち女性社員が95%を占める。

 「ネットはあくまで一つの手段。要はお客との接点をリアル店舗、ネット、SNS(交流サイト)などでいかに築き、どう関係を結んでいくか。そしてお金の支払い方をどうするのかがポイント。前提となるのが『お客をどう笑顔にするか』。これを考え続ける会社でありたい」(松田さん)という。

 企業成長に向け、新たな施策も相次ぎ打ち出している。昨年4月には大阪・心斎橋に試着体感サロンをオープンし、リアル店舗を設けた。昨年2月には顧客の声を集約・共用する「セールスフォース」を導入、3年程度かけてビッグデータを蓄積しながら、次のビジネスモデル構築を目指す。創業時の社名はHEAVENだったが、今後のグローバル展開に備えてヘブンジャパンに変更した。既に韓国ではエステサロンなどを手掛けるJMカンパニーを代理店に4店を展開する。

 今年の夏には中長期成長を掲げる5カ年計画を発表したばかり。「まだ笑われるでしょうが、世界の婦人下着の1%の市場を目指して頑張りたい」と強調する。

松田代表取締役CEO社員の95%が女性の明るい本社


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