ハタラック・アンド・パーソン 店舗管理アプリの導入広がる

2022/07/15 06:27 更新


オールインワンでアプリに搭載

 ハタラック・アンド・パーソン(東京、染谷剛史代表取締役CEO=最高経営責任者)の店舗マネジメントアプリ「はたLuck」がアパレルやショッピングセンター、アミューズメント施設、飲食店などで導入が広がっている。19年にサービスを開始して以降、約1万店、ショップスタッフ13万人以上に利用されるようになった。

 「はたLuck」は、本部と店舗、シフトワーカーを一気通貫でつなぐツール。これまで個別でアナログで管理されることもあったコミュニケーションや教育、シフト作成、評価などに関する機能をオールインワンでアプリに搭載している。

 店長を含めた店舗スタッフの業務負荷や精神的な負担を軽減し、スタッフの行動をより付加価値あるものへ変えていくことを目指している。勤務時間や勤務頻度など、それぞれ働き方が異なるスタッフへの情報発信や周知徹底、スタッフ間のコミュニケーションを促進するほか、マニュアルや研修内容の共有などでスタッフのスキルの平準化と底上げを行う。アプリの利用データを可視化して分析し、店舗課題抽出にも役立てられる。

 アパレル企業ではクロスプラスが全国300店以上に導入。1人当たり15店ほど担当しているスーパーバイザーの店舗マネジメントの質と量を定量化する目的で始めたが、各店舗のファッションアドバイザー間のコミュニケーションやナレッジ共有など、横のつながりも強まるという効果を生んでいる。

 ショッピングセンターでは、三井不動産グループでららぽーとや三井アウトレットパークなど約40施設に導入され、10万人のショップスタッフの入退館管理や情報共有の課題解決につなげている。これまでSC運営サイドとショップスタッフの情報共有は各店の店長を介する必要があったが、「はたLuck」を導入することでキャンペーンなどの最新情報を正確に共有できるようになり、CS(顧客満足)とES(従業員満足)の双方の向上に貢献している。

 ハタラック・アンド・パーソンは17年に創業した「リテールテックと〝働きがいテック〟」を掲げる企業。染谷CEOはリンクアンドモチベーションで小売り・飲食・サービス業界の組織コンサルティングに従事していた経歴があり、「店舗運営視点に立てる」のが強みという。

 「人とサービスで差別化する時代だが、労働人口は減少し、採用コストは増加している。楽で(負担が少なく)楽しい仕事にすることで労働生産性を上げ、従業員から選ばれる店舗・施設になるためのサポートをしていきたい」と話す。

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