阪急メンズ大阪は10月26日、招待制の常設キュレーションスペースと位置付ける「密」を地下1階に開設した。一つひとつの企画を招待制で実施することで、各企画主体と参加顧客との密なコミュニケーションが可能になる場としている。地下1階は「ニューコンテンポラリー」をコンセプトに改装を進めてきた。
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密は、売り場面積は約66平方メートル。器は全面鏡面の壁で覆われており器の中は見えない。密専用LINEの友達申請、会員登録すると密の扉を開く暗証番号が通知され、入店できる仕組みだ。暗証番号は企画ごとに変わる。第1弾は26日から11月27日の1カ月間「グラフペーパー」などを手掛けるクリエイティブディレクター南貴之氏が伝えたい家具、家電、花器、本などを展示、販売する「南貴之の頭のなか展」を実施する。「クリエイターの思いがこもったプロダクトに対して響いている」客層の会員化が進めば、流動客に頼らずに「濃度の濃い客」の関心事に合わせた展示・販売の精度を高めることができるとみている。
地下1階の改装は、個性的なファッションよりもシンプルできれいめなデザインを好み、生産背景や作り手の思いを重視している客層が増えているとみているため。今春夏に「アウール」と国内外のブランドやオリジナルの服とライフスタイル商品を組み合わせた「ザ・ストア・トゥモローランド」を、今秋に「A.P.C.」「マーガレット・ハウエル」「カルバン・クライン」、トウキョウベースとの協業型の「H・ザ・トウキョウ」を開設した。密のオープンで一連の改装はいったん完了するが、今後も継続的に改装していく。