浜松で伝統産業イベント 注染・綿紬の魅力伝える

2017/03/28 06:20 更新


 綿織物産地の浜松から、隠れた伝統産業である注染ゆかたを発信しようと、このほど「第2回浜松注染・遠州面紬(つむぎ)・いとへんのまち」が開かれた。

 遠州産地として知られている浜松周辺は、天竜川流域の良質な水資源に恵まれていることや、風が強く天日乾燥に向いていることなどから、先染めの紬や注染のてぬぐいやゆかたが盛んに作られてきた。

 注染業者は「盛時には40~50軒あった」(主催者のひとつ、白井商事)。しかし繊維産業の衰退に合わせて「注染業者も6軒に減った」。それでも「優れた技術を持つ職人がまだ存在している」という。一方で「こうした遠州の伝統的な技法や商品が地元市民に知られていない」状況だ。

 そこで昨年からゆかた関連の問屋、注染職人、きもの染め作家、きもの小売りなどの有志が集まって、「地元を中心に東西からも浜松に来ていただき、きれいなぼかしが特徴の浜松注染や綿の紬を見て、触れて伝統産業を活性化させよう」と同展を始めた。

 糊(のり)で囲まれた柄に染色液を注ぐ注染の作業を職人が実演したほか、オーダーゆかたや着付けの実演など参加型のイベントが行われた。またデザインを凝らした小物なども紹介した。

職人による注染の実演も行われた


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