グーグルA&C ファッションの全てを見せる

2017/06/14 04:25 更新


 【パリ=松井孝予通信員】世界の文化遺産をオンラインで紹介するグーグルアート&カルチャー(A&C)が、新プロジェクト「ウィ・ウェア・カルチャー」をパリ装飾美術館で発表した。グーグルA&Cが初めてフランスと世界180のファッション、文化の公共施設や非営利団体をパートナーに進めるもの。

 300年にわたる「ファッションが織りなす物語」をテーマに、「アイコン」「ムーブメント」「メイキング」「アート」のコンテンツから3万点以上のウェアとアクセサリー、360度のフィルム、ストリートビューで宮殿や展覧会、大学など450の場所を提供する。パリを拠点に30人のテクニカルチームがアートカメラを使って所蔵品や施設をデジタル化した。

 フランスからは装飾美術館をはじめ、北仏カレーのレース・モード国際センター、国立舞台衣装センター、ベルサイユ宮殿、ギャラリー・アズディン・アライア、エスモードインターナショナルの6施設、日本からはアクロス、日本服飾文化振興財団、文化学園大学、文化服装学院、加賀友禅会館、京都服飾文化研究財団、神戸ファッション美術館など16団体が提携。

 グーグルA&Cラボのディレクター、ローラン・ガヴォー氏は、「プロジェクトはユニークで実験的。世界の誰もがファッションにアクセスできる」と強調し、装飾美術館館長のオリヴィエ・ガベ氏は、「ファッションを巡る革命的な出来事。ファッションに秘められた物語や職人技をシェアし継承していくことが大切」と指摘した。

 装飾美術館では9、10日、「ウィ・ウェア・カルチャー」展を開催した。ココ・シャネルのブラックドレスや京都服飾文化財団所蔵の川久保玲のセーターなど展示作品に秘められた物語を、スマートフォンとグーグル・カードボードを使ってVR(仮想現実)体験ができた。

京都服飾文化研究所所蔵 川久保玲の作品



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