【今日は何の日?】グレンチェックとヒッチコック

2017/08/13 04:00 更新


 1899年8月13日は、ヒッチコックが生まれた日です。映画監督、アルフレッド・ジョセフ・ヒッチコックはこの日、ロンドンに生まれています。

 父のウィリアムは食料品店の経営者。ヒッチコックはその気になれば、ロンドンの下町言葉、コックニーをしゃべることができたという。

 大の美食家で、これは父親ゆずりだったとのこと。ひとつの例として、ドーバー産のシタビラメが好きで、わざわざ空輸をさせていたそうです。映画を作るにも凝り性で、特別なユーモアのひねりを利かせたりしたことでも知られています。通行人のひとりとして、必ずどこかに一瞬、ヒッチコック自身が顔を出すのもそのあらわれでしょう。

 1946年の映画『北北西に進路を取れ』でも、ちらりと顔を出しています。バスの中の乗客のひとりとして。主人公のロジャー・ソーンヒルに扮するのがケイリー・グラント。乗客のひとりにカナリアの鳥かごを持ったマダムがいて。グラントが隣に座ると、カナリアが騒ぎはじめる。これはあだ名が「猫」なので、カナリアが騒ぐ、というヒッチコック流のしゃれ。ただ、このしゃれには誰も気づかなかったらしい。

 『北北西に進路を取れ』でグラントが着るのが、グレンチェックのスーツ。本当にグレンチェックが様になる映画俳優でしたね。(服飾評論家・出石尚三)


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