今年新たな業種・業務区分の追加で繊維業は、特定技能1号の受け入れが可能になった。歓迎の声の一方、技能実習制度で法令違反が多いこともあり、繊維業には追加で4要件が設定された。岐阜県既製服縫製工業組合の野呂誠理事長に受け止めや現状を聞いた。
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――特定技能は繊維業については追加要件がある。
繊維業が一定追加要件を課されるのはやむを得ないと思います。業界の歴史的な経過を踏まえて、厳しくせざるを得ない部分があったのだと思います。
ただ、縫製業が悪く言われがちですが、大手アパレル小売りが商社や生産会社に物作りを丸投げし、どこで作ったのかも知らずに服を売っている。そういう状況も法令違反を生んだ原因の一つではとも感じます。
――今後の見通しは。
追加要件の中で「国際的な人権基準に適合し事業を行っていること」が、最もハードルが高い。現在手続きをしており、早い工場では年内に認証を取得できると思います。来年早々には特定技能外国人を受け入れる工場が出てくるでしょう。
ただ、技能実習制度に代わる育成就労制度にもこの要件がそのまま適用されるのは厳しい。国内には分業で生計を立てている小規模の工場が多く存在します。国にはそういったところを取り残さないような制度にしてもらいたいです。