福山ゴム 機能に特化した「親方寅さん」がロングセラー

2017/12/20 04:22 更新


 工業用ゴム製品や樹脂製シューズを製造する福山ゴム(広島県福山市)の作業靴「親方寅さん」は、92年の販売以来累計600万足以上を売り上げているロングセラー商品だ。ユーザーの声を取り入れ様々な改良を重ね、機能に特化したシンプルなデザインは根強い支持を得ている。

 当初はつま先に補強用のラバーなども無く、「お客さんの声を取り入れ進化していった」(土橋弘和常務)ことがロングセラーにつながった。つま先のラバーのほか、補強のために親指と小指の付け根付近の両サイドはシューアッパー地を2重にするといった工夫もしている。シューアッパーには撥水(はっすい)加工を施した綿カツラギ地を使用。

 地下足袋の原型を参考に作られたフォルムは履きやすく、グリップ性の良いアメ底もアクセントとなっている。中敷きは防臭抗菌加工し、「他社製品との違いを出す」ためにかかとの内側部分にはチェックの先染め織物を採用した。ホームセンターやワーキングショップで販売しており、2000円以下という価格も魅力だ。

 今年に入り広島県福山市の産業支援拠点「福山ビジネスサポートセンターFuku-Biz」が主催する展示会に出展。地元マスコミに取り上げられるなど注目が高まり、現在カジュアル用途にも使える新商品の開発にも取り組んでいる。

「親方寅さん」(右)とレディス向けの「柴又のさくらさん」(左)



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