パレ・フタバ 福山から「プルオンパンツ」日本一目指す

2019/10/15 06:30 更新


《ローカルでいこう》パレ・フタバ 福山拠点に「プルオンパンツ日本一」目指す 消費者への発信強化

 「福山で一番の工場になり、ニットのプルオンパンツでは日本一と呼ばれることが夢」と語るのは、パレ・フタバの藤井篤彦副社長。13年に広島県福山市の卸町に福山事業所を開設、自社工場および近隣の協力工場で、国産レディスパンツを月に約2万枚生産する。

 特化した商品カテゴリーのなかで、自社ブランド、OEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)ともに伸ばしている。

(山田太志)

 企業のスタートは大阪・泉州の老舗紡毛紡績、深喜毛織のニット部門。現在はボウリング場などの複合レジャー事業、福山の繊維事業が2本柱となっている。本社は大阪府吹田市だが、「素材から縫製までの産地基盤があり、大阪から距離も近い福山に繊維事業の拠点を置くことを決めた」。事業所は、匠の場所を意味する「TAKUMIBA」(たくみば)と名付け、企画、営業、裁断・縫製、検品、仕上げ・出荷を1カ所で行う。

受付からすぐ見える縫製現場

 ミシン約20台、自動裁断機を持つ自社工場は、日本人のみで構成する。受付のすぐ横にきれいに整頓された生産現場があり、スタッフがミシンを踏む姿が見えるのが特徴的だ。品質だけでなく、人体工学研究でトップクラスの人材を招き、機能の裏打ちがある物作りを続ける。

 現在は自社ブランドとOEM・ODMの比率がほぼ50%ずつ。自社ブランドが半分あるため、OEM・ODM向けで生地リスクを持つこともできる。こうした点が評価され、約5年前にはわずかだったOEM・ODMが伸び、特に百貨店向け有力アパレル企業からの引き合いが増えた。

藤井篤彦副社長

 繊維事業を管轄する藤井副社長は、かつて外資系消費財メーカーでマーケティングなどを経験。物作りの技を磨くだけでなく、「工場から消費者への発信、『FtoC』にも力を入れていきたい」。8月末にはマクアケのクラウドファンディング(CF)で、センタープレスが消えない「好印象パンツ」を公開、初日で目標の30万円を超えた。

 CF第2弾として、機能の明確な商品を来春夏物で販売する予定。自社のECサイトも準備しており、年内に立ち上げる計画だ。

CFで展開する「好印象パンツ」
「好印象パンツ」
「好印象パンツ」

(繊研新聞本紙19年9月13日付)



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