1831年9月5日は、フランスの劇作家、ビクトリアン・サルドゥの生まれた日です。1908年に世を去っていますから、77年の人生でした。プッチーニのオペラで有名な「トスカ」は、もともとはサルドゥの演劇だったものです。「トスカ」を見たプッチーニがほれこんで、苦心を重ねてオペラに完成させた。
サルドゥが1882年に発表したのが「フェドーラ」です。当時、サルドゥはサラ・ベルナールの演技を高く評価し、主役にふさわしい芝居として書いたのです。ベルナールは日頃から男装するのが好きだったとも言われ、「フェドーラ」にも男装の場面があります。舞台の上で、女主人公フェドーラが男もののソフト帽をかぶった。後にその帽子が「フェドーラ」として流行したとか。(服飾評論家・出石尚三)