川上編では、素材の種類にはどんな物があるのか、生地(テキスタイル)がどこでどうやって作られるかを見てきました。今回は素材や生地の基本をおさらいしながら、素材に関する技術の進化や、最近話題になっている事柄について見ていきましょう。
【関連記事】【FBプロフェッショナルへの道⑨】川上編㊥ テキスタイルはどこでどう作られる?
素材が服を特徴づける
素材には綿やウールのような天然繊維、ポリエステルやナイロンのような化学繊維・合成繊維があることを学びました。これらを使って織物やニットの生地を作り、服にしますね。改めて整理すると、服を特徴づける最も基本的な要素が素材や生地になります。
例えばウールのコートと、ナイロン織物を表に使ったダウンジャケットを比べてみましょう。ウールコートは厚手の生地が断熱効果のある空気をため込み、暖かさを感じます。ナイロンは生地自体は暖かくありませんが、中の羽毛が空気をため込むことで暖かい。違う角度で見ると、ナイロンは強い繊維なので薄い生地でも丈夫で、服を軽く作ることができます。対してウール生地はナイロンより肉厚で重くなりますが、吸湿性に優れるため蒸れずに快適で消臭効果もあるなど、どちらにも優れた点があります。これらは素材が持つ「機能」で、服にとって大事なポイントです。汗を素早く蒸発させて涼しく保つポリエステルのTシャツ、太陽の紫外線を防ぐ日傘、炎から身を守る防護服などいずれも素材の機能によるものです。
感性を付与する役割も
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!