岐阜を拠点に縫製や後加工、検品、物流を行う物作り集団のファンズユニット(中原健社長)とNAPS(中原健代表)は、企業ユニフォームをノベルティーなどに再生するアップサイクル事業を始めた。大手企業の依頼を受けて、これまでは廃棄処分されてきた企業ユニフォームを新たなモノに再生することで、サステイナブル(持続可能な)に対応できるとして提案を本格化している。
オフィスやサービスユニフォームは、大手企業で年間数千~数万着が着られ、3~5年のサイクルで更新される。これまでは再利用されずに廃棄されてきた。SDGs(持続可能な開発目標)や環境配慮の意識が高まり、廃棄や焼却をいかに減らすかが企業にとっての大きなテーマになり、その中で企業ユニフォームの再生が注目されている。
今回は、企業ユニフォームをトレーケースやティッシュケースなどの企業ノベルティーに再生する。ノベルティーには「ユニフォームから再生した」旨を明記した小冊子を付け、企業としてのSDGsへの対応をアピールできるようにする。
ファンズユニットとNAPSは、企業ユニフォームの回収やクリーニング、分解のほか、ノベルティーなどの企画立案に基づいた後加工や縫製、そして納品までの全てをグループ内一貫で行う。「企業のオリジナルユニフォームのほかリース企業のユニフォームにも対応。また企業ごとのニーズに沿ったアップサイクルに応じる」(中原健ファンズユニット社長)としている。
アップサイクル時に生じる裁断くずなどを使い、グループ内での再製品化も行う。ファンズユニットは、岐阜地域の物作り企業20社以上を集めてNAPSを結成。勉強会などで情報交換や交流を深めるだけでなく、様々な物作りニーズに対応する受注受け皿としても機能している。アパレル業界だけでなく美容や家電などの異業種からの引き合いも増えている。