帝人グループは欧州で導入が決まっているデジタル製品パスポート(DPP)について、アラミド繊維と炭素繊維で対応を開始した。EU(欧州連合)で昨年発効した「持続可能な製品のためのデザイン規則」(ESPR)により、各業界の製品に対して段階的にDPP対応が義務化される。帝人は昨年11月に資本参加したオランダのサーキュライズのシステムを用い、DPP対応製品の展開を進めていく。
アラミド事業では、回収した使用済みの最終製品からアラミド繊維を取り出し、パルプ状にリサイクルした製品のトレーサビリティー(履歴管理)を公開した。ウェブ上のDPP情報にアクセスすると、アイスランドのハンプジャン(レイキャビク)が手掛ける重量物運搬用つり具からリサイクルされた製品であることが確認できる。同時に、帝人のパラ系アラミド「トワロン」が使用されていることや、原料にさかのぼることも出来る。
炭素繊維事業では、顧客が同社の炭素繊維短繊維を使い、自転車用タイヤレバーを製造したと仮定した場合の履歴管理を公開した。DPP情報を閲覧すると、材料が炭素繊維短繊維であること、炭素繊維の製造工程で発生した端材由来であることなどが確認できる。