ファッションブランド「ファクトリエ」(運営ライフスタイルアクセント)は、日本の物作りの技術を使い、現代の人々の日常に潜む〝負の課題〟、あるいは気がついているが諦めている課題を解決する新規事業「かかりつけ衣」を始動する。第1弾の「かゆみ対策インナー」は事前に応援購入サイト「マクアケ」でテスト販売(12月5~20日)し、目標の7.84倍、235万4196円を達成した。
かゆみ対策インナーの開発は同社の山田敏夫代表が長年、アトピー性皮膚炎に悩んできたことがきっかけとなった。「SNSで悩みを打ち明けたところ、たくさんの共感の声をもらい、ニッチだが求められる商品だと実感した」という。立ち上げから10周年を経たファクトリエでは、これまで機能性を高めるなどで満足度を向上させる〝正の問題解決〟型の商品開発を軸にしてきた。これに対して、新規事業では体の悩みなどを解決するために、日本の服作りの技術を使う。
かゆみ対策インナーはメリノウール100%に柔らかく仕上げる加工をした生地を使用。吸湿性と放出性に優れ、伸縮性があってシワになりにくく、形崩れしにくい。汗冷えしない保温力がある。縫製は縫い目が当たらないフラットシーマ仕様で、締め付けないすっきりシルエットにした。色は黒のみ。女性向けで3サイズ。税込み6930円。
新規事業は同じ悩みを持つ人たちに広くリーチするため、自社ECサイトのほか、「アマゾン」でも販売する。マクアケの購入者(360件)の声によると、超乾燥肌の人などの満足度が高く、また買いたいとの声も多かったという。今後は、「黒以外にベージュがほしい」との声も多かったため、カラーバリエーションを増やす。レギンスや夏用に半袖、タンクトップなどアイテムも拡大する。さらに、女性向けだけでなく、男性や乳幼児用などにも広げたいとしている。なお、開発段階では医師にもヒアリングし、かゆみ対策の正しい情報の発信にも力を入れる。