欧州ラグジュアリーグループ 1~3月はエルメス除き2ケタ減収

2020/06/09 06:30 更新


 【パリ=松井孝予通信員】欧州ラグジュアリーグループの1~3月の売上高は、新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)の影響を受け、エルメスを除き2ケタの減少となった。

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 減収幅は各グループの予測の範囲内。中国での減収が最も大きく、ラグジュアリーの市場性が数字に表れた。先の見えないコロナ禍への策として、株配当金減額の提示、会長兼CEO(最高経営責任者)、上級管理職の報酬減や変動報酬の放棄などが講じられている。一方、各グループとも都市封鎖緩和後の市場回復の兆しを確認している。

 仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループは前年同期比17%減(為替変動の影響を除いた比較可能ベース)の106億 ユーロ だった。主力のファッション&レザーグッズは10%減と持ちこたえ46億4300万 ユーロ 。「ルイ・ヴィトン」「クリスチャン・ディオール」はECが急成長し、実店舗での減収を補った。

 仏ケリンググループは16%減の32億 ユーロ 。直営店は20%減だったが、同グループが力を入れていたECが21%伸びた。稼ぎ頭の「グッチ」は中国の不振を受け23%減の18億 ユーロ 。「ボッテガ・ヴェネタ」は欧米での卸販売に支えられ9%増だった。

 仏エルメス・インターナショナルは8%減の15億 ユーロ 。地域別では唯一日本が1%増となり2億1400万 ユーロ だった。

 スイスのリシュモングループは18%減。アジア太平洋が36%の大幅減に対し、米国では9%増だった。

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