24年秋冬デビューの「ENSW」 男性の装いを落とし込む

2025/01/20 11:00 更新NEW!


25年春夏はアシンメトリーをテーマにゆがみとバランスを掘り下げた

 24年秋冬物でデビューしたレディスブランド「ENSW」(エンス)は名古屋学芸大学アート専攻でファッションを学んだ伴野朱音さんがデザインする。伴野さんは大学卒業後、東京の企画会社ヌイヤデザインに入社し、自社ブランドやOEM(相手先ブランドによる生産)を担当している。

 自身のブランドは男性の装いをさせることで女性らしさを際立たせるのがコンセプト。ワークやミリタリーなどのメンズアイテムをレディスのディテールやパターンでバランスよく表現する。伴野氏は古着店で購入したメンズブランドのジャケットを愛用するなど、元々メンズ服に関心があった。

 ファーストコレクションでは、自由な選択ができる強く媚(こ)びない女性像をイメージし、ミリタリーのジャンプスーツを提案した。腰回りにダーツを入れることで脚長効果もあり、元々の直線的パターンを女性の体に沿う丸みのあるシルエットに変えた。25年春夏物ではアシンメトリーをテーマに、ゆがみとバランスを掘り下げた。細かいペーズリー柄のグラフィックは自身で描いた。「女性はぱっと見た感覚で購買を判断するので明瞭さを大切にしているが、興味を持ってくれた人に細部まで説明できる深い服作りを心掛けている」と伴野さん。

 卸先は東京の「アマノジャク」をはじめ、地方のセレクトショップなど4店。まだ無名ブランドだが、SNSでの発信の効果で卸先に新規来店する客もいるという。まずは東京でのランウェーショー参加を目標にしている。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事