「エンジニアドガーメンツ」のデッドストックに「OTAKARA NYC」が手刺繍したアップサイクルな協業ラインが、ニューヨークのネペンテス店で販売されている。
OTAKARA NYCは雑貨の見本市「ショップ・オブジェクト」を運営するエスセティック・ムーブメントの鈴木聡氏が始めたブランドだ。ショップ・オブジェクトがコロナ禍でデジタル展になって仕事が激減した鈴木氏は、ネットで手刺繍入りのシャツを見つけ、いいなと思ったものの、刺繍が安っぽかったり合うサイズがなかったりしたため、自分で作ってみることにしたという。作品をインスタグラムに載せ始め、それを見たエンジニアドガーメンツの鈴木大器が、在庫に手仕事で付加価値を付けるこの協業を提案した。
刺繍のモチーフは赤べこ、狛犬(こまいぬ)、だるまなど日本の伝統的なモチーフと、アメリカのアイコンをパロディー的にもじったものを混ぜている。発売から1カ月半が経ち、価格の手ごろなTシャツ(132ドルから)を中心にシャツも動き、追加投入しているという。発売初日は、グラミー賞受賞歴のある音楽プロデューサーが数点購入。米メンズファッション業界の重鎮であるニック・ウースターも、半袖シャツを購入した。
OTAKARA NYCの名は「買ってくれた人が宝物を手に入れたというイメージをもってくれれば」との思いを込めている。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)