1890年9月15日は英国の推理作家、アガサ・クリスティが生まれた日です。英国のデボンシャー・トーキーに生をうけています。1914年にアーチボルド・クリスティと結婚して以来、「アガサ・クリスティ」の名前を使うようになったものです。
『スタイルズ荘の怪事件』を書くのは16年のことです。これがはじめての著作。約3週間で仕上げたという。でも、あらゆる出版社から断られます。やっと引き受けてくれたのがボドリー・ヘッド社。20年のこと。出版までざっと4年間宙をさまよっていたのです。出版されるとただちに完売。
『スタイルズ荘の怪事件』の中に「晴れても降ってもエナメル革のブーツをはいているんだ」、そんなセリフが出てきます。これはジョン・カバンディッシュのせりふ。アルフレッド・イングルソープの姿について。
なぜか、アガサはいつもエナメルの靴を履いていることに興味があったものと思われます。後に、エルキュール・ポアロがどんな時でもエナメルの靴であるのも、そこからきているのでしょう。(服飾評論家・出石尚三)