能登半島地震で被災した漁師に働く場を提供するプロジェクトが3月にスタートし、パタゴニア日本支社がこれをサポートしている。運営するのは廃漁網回収のエランゲ(東京、関幸太郎代表)。「漁に出られず、仕事が欲しい」という漁師の声を聞き、避難先の金沢に廃漁網処理の作業場を設置した。ここで処理された漁網は新しい糸・生地に生まれ変わり、「パタゴニア」などの製品に使われる予定だ。
(中村恵生)
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避難先に作業場
金沢港近くの倉庫に設けられた作業場で、集まった漁師たちが巨大な漁網を手作業で細かく裁断していく。本来は網を操って魚を取るのが仕事だが、1月1日の地震で港の底が隆起したため船は出せず、被災した市場も機能停止中。皆、仕事を失い、金沢に二次避難してきた輪島の漁師だ。