【今日は何の日?】ファッションリーダーの黒ジャケ

2017/08/09 04:22 更新


 1902年8月9日は、エドワード7世の戴冠式が行われた日です。ヴィクトリア女王が01年1月22日に逝去。これに伴い、長男がエドワード7世となったのです。ヴィクトリア女王の在位は63年なので、皇太子としての在位も60年と長きにわたっています。

 皇太子時代は自由奔放の生活を満喫されたとのことです。その一方で、当時のファッションに与えた影響には偉大なものがあります。今日のディナージャケットを発明したのは結局のところ、皇太子だったのです。

 英国の避暑地カウズに泊めた、王室専用ヨットでの夕食時に着るための装いがはじまりなのです。カウズのヨット内に限って、燕尾服に代えてディナージャケットを着用したのです。今の「ホンブルグハット」も、皇太子がかぶることによって流行となったものです。ホンブルグハットはドイツ・ハンブルグ訪問のおりに献上されて、愛用したのにはじまっています。

 もうひとつが、ディレクターズスーツ。ただし、純然たる和製英語。英国では「ブラック・ジャケット&ストライプト・トラウザーズ」と言います。19世紀末、ある展示会の初日に出席することになった皇太子。モーニングコートをブラックジャケットに代えて出席し、話題となったものです。(服飾評論家・出石尚三)


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