1915年8月29日はイングリッド・バーグマンの生まれた日です。父のユタスは写真家だったそうで、毎年の誕生日にイングリッドを写すことにしていたという。Inglid Bergmanをスウェーデン式には「インリド・ベリマン」という発音になるんだとか。これは本名です。1982年の8月29日に世を去っています。
1930年代、すでにスウェーデンの映画女優でした。偶然からハリウッドに。出演したスウェーデン映画『間奏曲』がハリウッド映画の『別離』として制作されることになったから。この時、ハリウッドの美容部員は、スウェーデンから女優がやって来るというので、手ぐすね引いて待っていた。でも、実際に見ると、ほとんど化粧を加えるところがないほど完全であったと、伝えられています。
第2次世界大戦中、バーグマンと写真家のロバート・キャパはひかれ合っています。パリのホテル、リッツで偶然に出会って。ちょうどその頃、キャパがロンドンで買ったもの。それは「ダンヒル」の銀製のフラスクボトル(携帯用酒瓶)。キャパは御守り代りにいつも左胸のポケットに入れておいたものです。
それがどうしてダンヒル製だと分かるのか。ロバート・キャパ著『ちょっとピンぼけ』に自分で「ダンヒル」と書いているからです。(服飾評論家・出石尚三)