ドリス・ヴァン・ノッテンが退任を発表した。6月末の25年春夏メンズコレクションをもって、退任する。25年春夏ウィメンズコレクションは、長年にわたって共に仕事をしてきたスタジオチームが制作する。
退任を知らせる「ドリスより皆様へ」と題したメールは、「アントワープ出身の若者だった私が描いた夢は、ファッションの中に何かを伝える声を持つことでした。ロンドン、パリ、さらにその先へ私を導いたこの旅を通して、そして数えきれないほどの人々の協力や支えによって、その夢は実現しました」と、これまでを振り返る内容だった。
退任について知らせることは「悲しくもあり、同時にうれしくもある」とし、今は「新しい世代の才能がブランドに新たなビジョンをもたらす余地を残す時期が来たと感じている」という。今後は、「これまで時間を割くことのできなかったすべてのことに焦点を移したい」とする。
ブランドを引き継ぐデザイナーは今後、「適切な時期に」発表する予定。ドリス・ヴァン・ノッテン自身も、メゾンに引き続き関わっていく。
退任を知らせるメールの最後には、サプライヤー、アトリエ、メーカー、親会社のプーチなど、物作りに関わってきた全ての人に向けた感謝の言葉が並ぶ。特にドリス・ヴァン・ノッテンのチーム全員に向けた感謝の言葉が目を引く。「38年間、年に四つのコレクションを製作し、今日の成功に導く機会とエネルギーを与えてくれました」。物作りに対する真摯な態度を見せ続けたデザイナーらしいメッセージがつづられた。