伊藤忠商事が、米スポーツブランド「アンダーアーマー」(UA)の日本総代理店であるドームを子会社化して2年。代表取締役CEO(最高経営責任者)に就いた北島義典さんは過去に、「ハンティングワールド」「レスポートサック」「コンバース」などを手掛けてきたブランド経営のプロだ。ドームとUAをどう立て直しているか。有明本社で聞いた。
マーケットイン発想で
――この間、どんな改革に取り組んできたか。
ブランド価値を上げるのは、「商品」「直営店」「マーケティング」の三つ。その中で、最も重要なのは商品です。顧客であるアスリートが求めているものを吸い上げ、マーケットインの発想で商品化する。この作業を急ピッチで進めています。
手始めに着手したのがSKU(在庫最小管理単位)の拡大です。これまで売れる商品があっと言う間に無くなるのが課題でした。そこで24年春夏はSKUを23年春夏より約500増やし、売れ筋を分散化。全体を底上げしています。
使用シーンの拡大に向け、今春夏からライフスタイルの「UAスポーツスタイル」も本格導入しました。アスリートがオフに着るウェアで、ロゴが目立たず、日常に着られるアイテムを充実したものです。
もう一つは日本企画のテコ入れ。我々は本国のインラインをピックアップするだけでなく、展開商品の3割程度を日本企画品で構成しています。ただこれまでは、過去売れた品番をリプロダクションしたものばかり。リプロを継続しつつ、今後はオリジナリティーあるものを増やします。
本国では4月1日付で創業者のケビン・プランクがCEOに復帰しました。今後は彼の思想が詰まった新しい製品が出てくるでしょうから、そこにも期待しています。
――直近ではシューズに力を入れている。
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