グロウ(大阪市)の子供服EC「デビロック」が再成長している。低価格のベーシック商品で急成長してきたが、コロナ下で実店舗を持つ企業がECを強化した影響を受け、20年から売り上げがほぼ横ばいだった。新たに雑貨の開発に注力して品揃えを充実したことで新客を獲得し、今期(24年8月期)の売上高は約55億円(前期比20%増)、増益を見込む。
急成長を受け、21年8月期中に社員数を大幅に増やしたが、コロナ禍でコミュニケーションが取りづらくなり、「バックアッププランが手薄だった」(宮本智彦社長)ことから、22年8月期は営業赤字に転落した。高コスト体質からの脱却を目指し、前下期から宮本社長も現場に入り選択と集中を進めたことで、23年8月期は売上高45億4800万円(3.9%増)、営業利益2億1000万円に回復した。
今期の2ケタ増収に寄与したのが、雑貨のMD拡大だ。2年前は扱いがほとんど無かったが、ニュアンスカラーの上履きのヒットを機に、品揃えを大幅に拡大した。スクールニーズの雑貨を充実してサイト上でボリュームを持って見せることで、新規客獲得、セット率向上につながっている。
アパレルも堅調で、これまでTシャツやストレッチパンツが強かったが、新たに夏物で布帛のショートパンツがヒット商品になった。現在の年間品番数は600~650で、主力サイズは120、130センチ。ユニセックス商品が主力だが女子向けに伸びしろがあるとして、トレンドを反映した商品開発を強化する。