主要百貨店のリビング売り場が進化している。売り場づくりは各店各様だが、家具や美容の導入強化、食回りの見直し、睡眠の再強化などがテーマになっている。これまで強かった品種別生活雑貨売り場という側面を改め、カテゴリーミックスの見せる生活・インテリア提案やコト体験にも力が向けられており、ライフスタイルに視点を当てて売り場づくりに取り組んでいる。
伊勢丹新宿本店
領域を越えた協業で集客増
伊勢丹新宿本店5階リビングは前年比2ケタ増と好調を維持している。富裕層に向けたラグジュアリー提案に加え、30~40代の来店増加が売り上げを押し上げた。
この間、強化してきたのがファッションブランドやプロパーの売り場では扱わない人気生活用品ブランドとの協業だ。ほぼ1週間単位でザ・ステージ#5を使った期間限定店を開いている。「アンダーカバーと天童木工の協業では初めてリビングフロアを訪れたお客様も多かった」と、人気ブランドのファン層など新規客の発掘につながり、来店客数増につながった。
「ここ3年ほど、メンズやレディス衣料、子供服からライフデザインに多くのメンバーが加わった」(大箸隼也ライフデザイン商品部マネージャー)と、他分野からの人的配置を積極的に行ってきた。メンバーがそれぞれの分野で培ってきたデザイナーなどとのネットワーク活用とファッション衣料に関心が高い層やファミリー層のマインドを理解した打ち出しが提案の幅を広げた。常設売り場への波及効果も大きく、ベッドやバス関連、キッチン用品などのプロパー商品の売り上げが昨年を上回っている。