百貨店の夏物クリアランスセールが6月25日から、本格化した。昨年は来店客が集中するのを避けるため、共通の開始日を設けずにブランドや商品領域ごとに分散化したが、今年は2年ぶりに従来と同様の全館一斉のスタートとなった。引き続き、新型コロナウイルスの感染予防を徹底するため、期間や販促など店頭の営業施策を制限しており、例年に比べて人出が少なく、そろりと滑り出した。
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三越伊勢丹は夏物セールを7月6日までの12日間で切り上げる。昨年はブランド毎に五月雨式だったことから期間を長く設けたが、「お客様から分かりにくいという声が多かった」と、セールの短期集中型に切り替えた。一方で、自社ECでのセールは6月18日~9月1日の長い期間で実施する。18日からの1週間の売り上げは前年同期比2ケタ増だった。
そごう・西武は7月12日までセール期間を延ばす。コロナ前の19年に比べて7日間増やし、来店日の分散化を促す。高島屋は7月1~13日に実施する。すでに6月25日までにセールをスタートしたブランドが少なくないが、全館一斉セールとして7月1日から始める。
セールと並行してプロパー販売を強化する。三越伊勢丹はセール後の7月7日から、プロパーの独自品を販売する新規のキャンペーンを実施する。そごう・西武は「セール以外にもシーズンアイテムや必需品を提案する」という。